今年で35回目を迎える映像アートの祭典!!
この度、商業性にとらわれず先鋭的・実験的な映像作品、話題作を世界中から集めて、映像アートの最新動向を紹介する「イメージフォーラム・フェスティバル2021」を京都・Lumen galleryで開催いたします。(全15プログラム上映62作品、インスタレーション1作品)
35回目となる今年のイメージフォーラム・フェスティバルでは、特集プログラムを「フィルム・イン・シェルター映画の停泊地」と題し、パンデミック、自然災害、政治的受難など、脅かされる「映画」の存在にフォーカス。ミャンマーやタイ、インドネシアなどでセレクトされた作品を通して、「映画」にとって存続が困難な状況が立ち現れた時、どのようにして存続できるのか。アジア各国の上映者、キュレーターとの対話を通じてその可能性を探ります。
主催:イメージフォーラム
共催:Lumen gallery
協賛:株式会社ダゲレオ出版
助成:芸術⽂化振興基⾦、公益財団法⼈アサヒグループ芸術⽂化財団、国際交流基⾦アジアセンター
【公式サイト】http://www.imageforumfestival.com
【Twitter】@Image_forum【Facebook】@imageforum.japan 【Instagram】image_forum
◉前売券/予約販売はありません。
◉SD対策により席数が1回につき35席ですので先着順です。ご了承ください。
自然災害、政治的受難、様々な理由で「映画」の存在は脅かされる。上映マテリアルの消失や破損・劣化。あるいは上映場所やプログラミングそのものが危機に晒される。「映画」にとって存続が困難な状況が立ち現れた時、映画はどのようにして存続できるのか。トランスナショナルな対話を通じてその可能性を探る。
クーデターにより存在が危機的状況にあるミャンマーのインディペンデント映画。その中心的存在であるワッタン映画祭からの最新映像作品集。
2011年の立ち上がり以降、ミャンマーのインディペンデント映画の拠点として重要な役割を担ってきたワッタン映画祭。10年の節目を迎え、インディペンデント映画カルチャーの中で育てきた新世代が映画祭に新たな風を運び込みはじめた。本年2月の軍事クーデターにより文化的な危機状況に陥る直前に生まれつつあったこれからの可能性を伝えるフレッシュな4作品を上映する。
プログラム提供:ワッタン映画祭
上映後プログラム解説映像あり:タイディ(ワッタン映画祭ディレクター)
注目の映像作家が続々と登場するフィリピンから、<災害>をテーマとしたコンテンポラリー映像作品集。気鋭のアーティスト2人によるセレクション。
自然災害が多いとされるフィリピンでは、状況に対応するためにしなやかであることが美德とされる。しかし多くの“災害”が必ずしも“自然”によるもののみでないことを考えれば、果たしてその“しなやかさ”は美德でありうるのか。フィリピンにおける重要なアートスペース「グリーン・パパイヤ」の2020年6月の火事を受けて映像作家ジョン・トレスとシリーン・セノのチーム「ロス・オトロス」がセレクトした短編映像集。
キュレーション:ロス・オトロス
上映後プログラム解説映像あり:ジョン・トレス(映像作家、ロス・オトロス)
これからのアジアのアート映画を牽引する才能がひしめくタイから、その急変する政治状況に過激かつメタフォリックに応答する色とりどりの最新映像集。
2020年に街頭に繰り出し社会変革を求めたいわゆる“Z世代”の若者たちは、タイの社会・文化に大きなインパクトを与
えた。この政治状況に呼応するかのように、タイでは新たな映像作品が次々と生まれ、コロナ禍においてさらなる大きな変動の萌芽が蠢いている。タイのインディペンデント・キュレーター、ウィワット・ラートウィワットオンによる“政治活動を遠望するコメント”としての新作映像作品集。国際映画祭の常連ソラヨス・プラパパン、タイキ・サクシピットやロカルノ・ロッテルダム映画祭などで注目された作品など、タイの最注目映像作家の作品を上映する。
キュレーション:ウィワット・ラートウィワットオン
◎プログラム1:無知
◎プログラム2:幸福
上映後プログラム解説映像あり:ウィワット・ラートウィワットオン(映画キュレーター)
災害下、生き残ることだけで精一杯な状況下において映画は何かできることはあるのか。災害と共に生きるジャワ・スマトラ・スラウェシ島の人々を描く5つの作品。
2017年のアグン山噴火、2018年のロンボク島地震直後に「災害救援」の一環として避難所でポップアップの野外上映を行ってきたインドネシアのミニキノフィルムウィーク映画祭。災害の多いインドネシアでそうした極限状況にある人々を描く作品をセレクトして上映する。
キュレーション:フランシスカ・プリハーディ(ミニキノ・フィルムウィークアーティスティック・ディレクター)
上映後プログラム解説映像あり:フランシスカ・プリハーディ(ミニキノ・フィルムウィークアーティスティック・ディレクター)
インドネシア人自らの手で撮影した初めての映画とは?無視され忘れ去れてきた自分たちの映画史を若い映像作家たちが探し求めるロード・ムービー的ドキュメンタリー。
インドネシアの初期映画史においては、撮影する人は常に植民者たちだった。インドネシア人は常に“撮影される側”だった。インドネシアのリサーチ・コレクティブ、フォーラム・ランタンに属する三人の作家が、インドネシアの原住民が撮影した最初の映画を求めてインドネシアからオランダへと旅をする。
プログラム提供:フォーラム・ランタン
上映後プログラム解説映像あり:アフリアン・プルナマ(映像作家、リサーチャー)
軍政下の韓国の知られざる先鋭的映画グループ。世界で再発見・再評価が進む映像コレクティブの作品集。
パク・チョンヒの独裁維新体制下、梨花女子大に属していた学生たちが1974年に結成した韓国最初のフェミニスト映画コレクティブ「カイドゥー・クラブ」。それはまた韓国初の実験映像グループであった。1979年にソウル大学の学生たちによって結成されたグループ=ヤラションは、光州事件の影響を大きく受けつつ、のちの韓国インディペンデント映画シーンの骨格の基礎をなす。超抑圧的な政治状況おいて精力的に先鋭的な映像製作を試みた2つのコレクティブによる映画を紹介する。
キュレーション:キム・ジハ(ACCシネマテークプログラマー)
上映後プログラム解説映像あり:キム・ジハ(ACCシネマテークプログラマー)
「アンダーグラウンドのジャンヌ・ダルク」バーバラ・ルービンの知られざる生涯をジョナス・メカスとの書簡と貴重な映像資料でつづるドキュメンタリー。
バーバラ・ルービンが1964年に18歳で発表した『地上のクリスマス』はニューヨークのアートシーンに衝撃を与えた。彼女はジョナス・メカスの協力者となり、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドをアンディ・ウォーホルに紹介するなど、ニューヨークの実験映画界に多大な貢献をする。その後なぜ彼女は表舞台から姿を消したのか……。代表作『地上のクリスマス』とともに上映。
映像作家にして、日本の個人映画、実験映画のオルガナイザー・かわなかのぶひろの主要作品をセレクトした特集プログラム。再撮影、マルチスクリーンなど、テクニックを駆使して映画の特性に言及する構造的な作品から、常にカメラを携帯して日常をとらえる制作スタイルによる日記的な作品まで、ジョナス・メカスの「自分でやらなきゃ駄目さ」という言葉に啓発され、常に「個」を起点に表現を続けきた50年の軌跡をたどる。
記憶をテーマとした代表作『スイッチバックSWITCHBACK』、映像と音声の関係を鮮やかに表現したビデオ・アートの傑作『Kick The World』、寺山修司の劇団「天井桟敷」の市街劇をビデオに収めた貴重なドキュメント『市街劇ノック』など、多様な創作活動の一端を紹介。
ミニチュアや日用品と映像装置を組み合わせて、映像やメディアのあり方そのものをテーマにしたインスタレーション作品を多数制作している伊藤隆介の新作。いまや日常では見ることのない「算段箱」と呼ばれる算盤を収めるケースとモニターを組み合わせたユニークな作品。データ化(クラウド化、コンパクト化)が進む映像メディアにおいて、映像を可能としている支持体(機器)の、日常雑貨や家具と同じ「モノ」としての存在や属性に焦点を当て、メディアとその時代についてユーモアで批評する試み。
●京都・名古屋両会場で展示
※当日券のみ。自由席・各回入替制。各プログラムは上映開始20分前に開場します。
※若干の上映作品の変更、上映順、上映フォーマットの変更が生じる場合があります。予めご了承ください。